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スコティッシュベイキング


先週のこと
大阪からベイキングをしに友人がやって来ました
二日間 暗くなるまで
ひたすらベイキング
今回の彼女のご所望はスコットランド

スコティッシュベイキング_a0107981_14552580.jpg

イギリスベイキングがある意味 空気か水かのように
あまりに当た前にそこにあるものになってしまっているわたしと違い
まだまだ
意欲ときらきらした好奇心と探求心と情熱にあふれている彼女と
ベイキングをしていると
なにか新しいことをしているような気になる
いい刺激にもなるし
自分が知らないことが沢山あることもまた気付かされる


スコティッシュベイキング_a0107981_14552463.jpg
フォーファーブリーディーに
スコッチパイ
マカロニパイにセルカークバノック
スコティッシュジャムバンズにエクルフェカンタルト
パラダイススライスに
スコットランドではないけれどカンバーランドラムニッキー
そしてクィンストライフル
まるで呪文か何かのよう

レシピを唱え(手を動かせば)
さぁ美味しいものがテーブルの上にぽん!
魔法のように現れる

そうして作ったものを夜に食べ
朝に食べ 昼に食べ

スコティッシュベイキング_a0107981_15273292.jpg

自分たちの作ったものの美味しさに感動(自画自賛)笑
そしてこの感動を他の人にも味わってほしいなと思う
彼女はティールームで
わたしは教室で
形は違うけれど
目指すところは結構似ていると思う
大阪のティールーム グランドツアー
いつか一度足を運んでみてください^^







# by lesgalettes | 2023-12-04 14:53 | イギリスのおいしいもの | Comments(0)

クィンスジェリー


12月1日
毎年、毎年、毎年思うこと 
「もう師走?信じられない!」
信じられないではなく
正確には「信じたくない」なんだけれど


Quince(マルメロ)
この世で一番よい香りのする果物(だと思っている)
もし天国を描きなさいと言われたら
クィンスがたわわに実っている木を沢山描くに違いない
この香りに包まれたら
ぷんぷん何かに怒っている人も
いやなことがあって凹んでいる人も
しなくちゃいけないお仕事をわんさと抱えている人も
みーんな忘れて一瞬「あれっ?」と立ち止まるに違いない
そして深呼吸
丸めたアルミホイルみたいになっている思考をそっと広げてみる気になるかも
そんな不思議な香り

クィンスジェリー_a0107981_23071793.jpg

ぼわぼわの埃のようなものに包まれたその実は
不細工で
固くて
まずくて
でも、とてつもなくいい香りで
そして手をかけてあげれば
最高に美味しいものにも変身する

クィンスジェリー_a0107981_23071706.jpg
まずは埃のお洋服を洗い去り
皮も芯も種も全部そのままぶつ切りにして鍋に放り込む
がちがちのその実は切るのも一仕事
かぶるほどの水を入れて
柔らかくなるまで煮ること1時間強
お次はガーゼなどの上にあけて
液体が落ち切るのを待ちます
一晩

クィンスジェリー_a0107981_23071797.jpg
白い果肉は
煮ているうちにオレンジ色に変化
ここにお砂糖とレモン汁を加えて煮詰めれば
クィンスジェリーの出来上がり

毎年のように作るけれど
仕上がりは毎年違う色

クィンスジェリー_a0107981_23071733.jpg

確か去年は「夕焼け色だ!」と思ったから
今年はそれより少し朱色がかっているかな
埃をかぶったいびつな実から プルンと光るジェリーに変身する様は
果物界のシンデレラ、と思う

シャンパンとチーズとクィンスジェリー
クリスマスのお楽しみ
その前にパンケーキやらトーストやらに使われて
大分残り少なくなっていそうだけれど(笑)


久しぶりに「イギリスおかし百科」書いたので
お時間あるとき 宜しければご覧ください
「セントエドマンドバンズ」なるお菓子についてです☆
クィンスジェリー_a0107981_23073091.jpg
さぁ12月
願わくば、急がず慌てず楽しく過ごして参りましょう☆



# by lesgalettes | 2023-12-01 14:53 | イギリスのおいしいもの | Comments(0)

2023 クリスマスプディングレッスン


先週後半は毎年恒例のクリスマスプディングレッスン
おせちは作らなくとも
クリスマスプディングを作らずして(食べずして)年は越せない
お雑煮は上手に作れないくせに
クリスマスプディングは上手に作る自信があるのだから
我ながら変な日本人になってしまったもの(笑)

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まずは材料の説明
イエス・キリスト+お弟子さんの数ということで最低13種は入れましょうと言われているその材料は
サルタナ・レーズン・カランツ・ミックスピール
りんごにパン粉にお砂糖にスパイスにビールにブランデーにetc....
家庭によって入れる材料は少しずつ違う
わたしはイギリスにいる頃教わったレシピ
ただし
日本ではスエットを手に入れづらいのでそこはバターで代用

でも~
スエットがどんな味かは みんなの興味のあるところ
そこでクリスマスプディングに取り掛かる前に
スエットを使ったぺストリーでブラムリーアップルとサルタナを包んで焼いた「アップルボルスター」を
バターのぺストリーで「ジャムローリーポーリー」を作り
スエットぺストリーとバターのぺストリーのテクスチャーの違いを確かめることに
これらをオーブンで焼いている間に
メインのクリスマスプディング作りです


2023 クリスマスプディングレッスン_a0107981_21280253.jpg

クリスマスプディングにまつわるちょっとした話をし始めると
ついついあれもこれもと話が広がってしまう
余計なことばかり話して
肝心なことを説明し忘れていないといいけれど。。。

クリスマスプディングのイラストやモチーフはどうして真ん丸なのか
中に入れるチャームにはどんなものがあるのか
それぞれの意味は?
混ぜるときには時計回りに
心の中で願い事をしながらね...


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プディングの中に潜ませるラッキーチャームの6ペンスコイン
いつもイギリスに行くたびに探してくる
最近あまり見かけなくなってきているので
準備できない年もある
だから今年のクリスマスレッスンはラッキー
みんなに1枚ずつ
これがあるとないとでは
プディングを食べるときのワクワク感が結構違う

*

プディングはおうちに帰ってからゆっくり茹でてもらうので
レッスンではベイスンに詰めるところまで

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あとはお楽しみのテイスティングタイム
わたしが1か月前に作っておいたプディング
ちょっと大きめなので6時間くらい茹でたもの
レッスンの間もう一度2時間ほど蒸し直していたので
まさに食べ頃^^
黒光りするツヤツヤのプディングが湯気と共に顔を出す瞬間は
なんど見てもワクワク


2023 クリスマスプディングレッスン_a0107981_21280971.jpg

クランベリーと柊を飾り
あたためたブランデーをかけて炎を灯す
予行演習のはずなのに
もう気分はすっかりクリスマス☆

クリスマスプディングにはブランデークリームを添えて
アップルボルスターとジャムローリーにはカスタードをたっぷり
個人的には
ブランデークリームはたっぷり
カスタードはローリーポーリーが池に浮かぶ小島に見えるくらいかけたい(笑)


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ふだんのレッスンでは試食用のケーキはわたしがカットすることが多いけれど
クリスマスプディングだけは各自取り分けてもらいます
何故って 6ペンスコインが入っているから
当たれば幸せな一年が訪れるというラッキーチャーム
わたしからのプチプレゼントも毎年恒例
今年は二日とも 
クリスマスプディングレッスンおそらく10回は来てくださっているけれどチャームが当たったの初めて!という方
なんだかわたしも嬉しい^^
10年もお付き合いくださってありがとうございます

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今年のStir-up Sundayは昨日11月26日
忙しい、時間がない、どうしよう!
このパタパタいつも何かに追われているように皆が暮らす現代
イギリスで一体どれだけの人がクリスマスプディングを作るのだろう
そして
地球の反対側で
「わ~やっぱり美味しい♡」
「でしょう~~♡」
こうやって嬉しそうにクリスマスプディングを頬張っている日本人が結構いることを
一体どれだけのイギリス人が想像するだろう

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ここ10数年わたしの Stir-up Sundayは毎年10月
ぐるぐる混ぜる
みんなに幸せが訪れますように
せめてこのプディングを食べるとき笑顔になってくれますように

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来年もまた
穏やかな気持ちでクリスマスプディングが作れますように☆



# by lesgalettes | 2023-11-27 15:27 | レッスン | Comments(0)

オータムレッスン


夏日かと思えば
一転冬のような寒さがやって来た11月
わたしの好きな秋はいづこ

来ないなら
作ってしまおう
秋の空気

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わたしにとっての秋(11月)の香りは
クィンス(マルメロ)
洋梨
そしてジンジャーブレッド

今月のレッスンでは数あるお気に入りジンジャーブレッドの中から
「アイリッシュスタウトジンジャーブレッド」
つまり黒ビールを使ったジンジャーブレッドを作りました
ジンジャー・シナモン・クローブといったスパイスに
ギネスビールの苦みとコクが加わった深い味わい
でもふんわりしっとりとした食感のせいか
思いのほか軽く食べられるちょっと面白いジンジャーブレッド

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このジンジャーブレッドを作っておけば
時間がない!でもほっと一息つきたい!というときに大急ぎでいれる
お安いティーバッグの濃~いミルクティーが
至福の一杯に

そして11月と言えば洋梨の季節
去年の11月のレッスンではこの二つを一緒に味わえる
洋梨のジンジャーブレッドを作っていましたが~
今年は withパンケーキ

オータムレッスン_a0107981_22071165.jpg


イギリスのパンケーキと言えばあのぺらぺらのクレープのようなもの
いつもは2月末ごろにやってくるパンケーキデイの頃にレッスンに登場しますが
今年は大分フライング
どうしても洋梨ハイシーズンの間に作りたかったので


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もちもちのパンケーキで包むのは
ブラウンシュガーとレモンを加えて軽く煮た洋梨
そこにブランデーソースをたっぷりかけて
オーブンへ

フツフツぐつぐつ周囲が言い始めたら
さぁ 急いでテーブルへ
さらにたっぷりブランデーソースをかけていただきます☆

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スプーンを入れれば
熱々のパンケーキの下から顔をのぞかせるとろける洋梨
一口頬張ると
ブランデーと洋梨の香りが広がります
クレープシュゼットより軽くて
クレープシュゼットより満足感がある
秋満喫パンケーキ

部屋の中を満たすのはスパイスと洋梨とブランデーの香り
そこにクィンスの香りも交じり合い
少なくとも今この瞬間は 確実に秋🍂


# by lesgalettes | 2023-11-23 14:44 | レッスン | Comments(0)

スエットクッキング



イギリスに住んでいた頃
わたしの怪しい英語に付き合ってくれて
お菓子やお料理、文化を教えてくれたのは
みな一回りふた回り年上の人生の先輩たち
優しくて、自分の考えをしっかり持っていて
人生を楽しんでいる魅力的な女性ばかり
国籍やバックグラウンドが違いすぎるおかげか
年齢にとらわれず
不思議と気を遣わない友人関係になれた

お料理やお菓子を教えてくれる友人もいれば
わたしより20歳近く年上だけれどお料理は全くせず
全部M&Sで買ってくるから大丈夫!というツワモノも
(その後お料理上手の旦那様と出会い今はお互いHappyに暮らしている(笑))

ここはとある友人宅の庭
一体何種類の野菜やハーブがあるのやら
とりあえず夫婦二人と
しょっちゅう預けられるお孫さんたち分くらいは間に合うらしい


スエットクッキング_a0107981_21270078.jpg
無農薬の家庭菜園で採れる野菜たち
見てくれば今一歩でも味は保証付き

「夕飯に何か作りたいものある?」との問いに
わたしの答えは
「う~ん、スエットものとか何かトラディッショナルなもの」


スエットクッキング_a0107981_21270106.jpg
で、作り始めたのが
小麦粉にスエットとハーブを加えてお水でまとめたダンプリングをのせる
アイリッシュシチュー
それにスエットのぺストリーをかぶせて焼く
ビーフ&キドニーパイ
彼女が子供の頃はこういう料理がよく食卓に上がっていたらしいけれど
さすがに今はめったに作らない、とのこと

豚のキドニーはなかなか不思議な触り心地^^;
牛肉や玉ねぎ、マッシュルームなどを加えてじっくり煮込み
ぺストリーをかぶせてオーブンへ

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ラム肉で作るアイリッシュシチューはじっくり煮込んだ後
最後にスエットダンプリングをのせて
ふっくら膨らむまでもう一度ぐつぐつ煮込みます
言ってみればすいとん入りシチューのようなもの
スエットがたっぷり入るから
もっとこってりどっしりするけれど

スエットクッキング_a0107981_21270158.jpg
付け合わせには 茹でた芽キャベツにブロッコリー
どこまでもブリティッシュ

そうそう
どっちがいい?
う~、決められない
どちらも捨てがたかったので欲張り合体バージョン
カランツ入りのぺストリーでいちごジャムを巻き蒸し茹でに~


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90分後お鍋から現れたのは
パンパンに膨らんだローリーポーリー

胃袋にずしんとくるWメインコースの後で
さすがにお腹いっぱいのはずなのに
ホカホカのカスタードがかかったその姿にまたスプーンを握ってしまう自分が怖い(笑)

ふだんなら時差ボケで寝れないはずなのに
この晩結構眠れたのは
スエット効果?


スエットクッキング_a0107981_21270041.jpg
翌日
空気はきんと冷たいけれど 晴れて気持ちの良い朝
ここのうちはパンはいつも自家製
週に一度大きなローフを三つ焼いて
すぐに食べない分は冷凍
以前そのおおらかなパンの作り方を教えてもらったその日から
わたしのパン作りに対するハードルはチューリップの背丈ほどまでに下がった🌷
売るわけじゃなし
家庭で作るパンはこれで充分

朝食用のお皿を取り出そうと戸棚を開けた彼女
何かを見つけたらしい

オンスやパイントを グラムやミリリットルに変換するダイヤル式のアナログ計算機(左上の写真)
いつもここでお菓子を習うたびに使っていた思い出深いグッズ
これをくれるという
「どうして?まだ使うでしょ?」と言ったら
「これは先日亡くなったお母さんので、自分のは別にあるから大丈夫」
「Serendipity。使ってちょうだい」


人生は
セレンディピティに溢れている



# by lesgalettes | 2023-11-19 12:25 | イギリス散歩 | Comments(2)


お菓子教室 「Galettes and Biscuits」 の日常 ☆


by lesgalettes

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ガレット アンド ビスケット

シンプルで温かいイギリス菓子の魅力を伝えるべく 宇都宮から発信中☆ これまで見たことの無いお菓子に出会えるかも☆
詳しくは こちらを↓

Galettes and Biscuits
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